エンディングノート?遺言書?

 「終活」という言葉が流行語大賞にノミネートされてから10年以上経ち、エンディングノート、遺言書という言葉がかなり定着してきていることを感じます。私自身、社協に勤めている際、会社でエンディングノートを製作し、自ら地区のふれあい健康教室などの集まりに行き、お話しさせていただく機会があったりしました。
 今回はエンディングノートと遺言書の違い、活用方法について、少し書きたいと思います。
 エンディングノートとは、もし自身になにかあったときに備えて、終活として自己の葬儀、お墓、終末期の医療・介護をどうするか、財産の整理のことなどを書き留めておくものになります。主な記載内容としては、自身のこと、緊急連絡先、財産について、心配ごと、これからのこと、死後のことなどがあります。
 一方、遺言書は亡き被相続人の最終の意思表示を記したもので、法律のルールに従った形の遺言書を残した場合、自己の財産について、自分の意思に沿った形で、相続人に相続させることができます。
 エンディングノートにも財産のことを書くことができるので、その場合、遺言書はいらないんじゃないか?と思われがちですが、遺言書は法律のルールに従った場合、その内容に法的効力を持ち、その内容どおり相続することできます。一方、エンディングノートには法的効力がないので、財産のことを書いたとしてもその内容どおりに相続することはできず、相続人間で遺産分割協議をすることになります。
 それでは、エンディングノートには財産のことを書かなくてもいいのかなと思われるかもしれませんが、エンディングノートは自身のことを振り返ることができる内容になっており、書くことで自分が持っている全財産を確認することができること、また何度も自由に書き直すことができるという遺言書にはないメリットがあり、自分の考えを整理することができるとても便利なツールになっています。
 活用方法としては、エンディングノートに自身のことを振り返り、現在のこと、将来の希望などを整理しながら、その中で特に財産について、こうしたいという意思を遺言書に残すことがいいのではないかと感じています。
 当事務所ではエンディングノート、遺言書についての相談を受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
 また講座などでみなさんの前でお話ししながら一緒に作成することもできますので、ぜひご活用ください。