自筆証書遺言書保管制度について
概要
自筆証書遺言書保管制度とは、遺言者が法務局に自筆証書遺言の保管を申し出ることにより、自筆証書遺言を法務局で保管することができる制度です。
自筆証書遺言は、全文、日付、氏名を自分で書き押印することで作成できるので、いつでもどこでも簡単に作ることができ、費用もほとんどかからないため、手軽に利用することができますが、せっかく書いてもなくしてしまう、生前に発見されて中身を書きかえられたり、捨てられたり、隠されてしまう、遺言者が亡くなった後、遺言が発見されず遺産分割が行われてしまうなどのリスクが発生する可能性がありました。
そこで、自筆証書遺言を法務局で保管することができる制度が令和2年7月10日にできました。制度開始から令和4年12月末まで、46,435件の保管申請が行われています。
この制度を利用することで、自筆証書遺言は通常、遺言者が死亡後、家庭裁判所の検認手続※が必要となりますが、自筆証書遺言書保管制度を利用した場合、検認手続が不要になります。
※検認手続とは
自筆証書遺言書の保管者、遺言書を発見した相続人は、遺言者が亡くなったことを知った後、遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して、その検認を請求する必要があります。これは相続人に対し遺言の存在と内容を知らせるとともに、遺言書の形状、日付、署名など遺言書の内容を明確にして、遺言書の偽造・変造を防止するための手続きで、およそ2か月くらいかかります。
遺言書の検認手続きについて(裁判所ホームページ)
そのほかにも
・遺言書の原本が法務局に保管されることで紛失や書き換えなどの防止につながる
・保管申請した際、遺言書保管官による遺言書の外形的な審査がなされることから、遺言書の形式不備による無効を防ぐことができる
・公正証書遺言を作成するよりも安価な手数料で利用することができる
・法務局の遺言書保管官から相続人などに対して通知がなされる仕組みにより、遺言書の早期発見と周知につながるなどのメリットがあります。
自筆証書遺言書保管制度の利用の流れ
残したい遺言内容を検討し、実際に自筆証書遺言書の作成を行います。
法務局に保管するにあたり、様式が決められていますので、できましたら法務局のホームページにあります様式を利用して作成していただくと、スムーズかと思います。
遺言書の様式等についての注意事項(法務省ホームページ)
遺言書の用紙例(法務省ホームページ)
→ 保管するにあたり、あらかじめ法務局への予約が必要になります。
予約について
→ 予約当日に法務局に行き、保管申請を行います。手続きに必要な時間はおおむね1時間前後になると思います。手続き終了後保管証を受け取り手続きが終了です。
費用、その他
自筆証書保管申請手数料 3,900円
保管期間は遺言書につき、50年間、遺言書に係る情報につき、150年間
自筆証書遺言書保管申請後は、遺言書の閲覧、保管の撤回をすることができます。
また遺言者が亡くなられた場合、遺言を保管していることを相続人などに通知することの申出をあらかじめしておくことで、死亡後、相続人などに遺言書が保管されていることなどが通知されます。
→ 遺言が発見できないということを防ぐことができます。
遺言を作成する際、自筆証書遺言または公正証書遺言のどちらかを検討することが多いかと思います。
もし、自筆証書遺言の作成を検討するをあわせて保管制度を利用の検討をしていただけたらと思います。
司法書士は遺言者から委任を受けて、自筆証書遺言書保管申請書を作成することができ、申請の際、同行することができます。また遺言書の内容の相談、作成支援を行うこともできます。
遺言書の作成を検討される際はぜひご相談ください。
自筆証書遺言書保管制度の詳細については、下記リンク先をご参照ください。
法務省パンフレット
自筆証書遺言書保管制度のご案内
遺言書保管申請ガイドブック
