相続時の不動産の名義変更の流れ
相続が発生した場合、まず①だれが相続人か、②なにが相続財産か(今回の場合、被相続人の持っていた不動産がなにか)確認する必要があります。
そして、③その相続財産をだれが取得するのかを確認し、不動産の場合、不動産を取得した相続人が名義変更の手続きを行うことになります。
だれが相続人なのか確認する方法
相続人は配偶者と子、直系尊属(被相続人の父母など)、兄弟姉妹になります。
このうち、配偶者は常に相続人となり、子、直系尊属、兄弟姉妹には順番があり、第一順位として子、子がいなかった場合、第二順位として直系尊属、子・直系尊属がいなかった場合、第三順位として兄弟姉妹になります。
被相続人の相続人がだれか確認するには、被相続人の出生から死亡までの戸籍を取得して確認をします。
通常、一つの戸籍に出生から死亡まで載っていることはなく、婚姻があった場合、法令に基づき戸籍が改製された場合などに新たに戸籍が編製されるため、除籍謄本、改製原戸籍など数通の戸籍をたどることになります。
戸籍は本籍地のある市区町村ごとに管理されていますが、婚姻等により本籍地が他の市町村へ移った場合には、移った先の市町村が戸籍を管理しているため、本籍地の変更があった場合、移る前と移った後のそれぞれの本籍地で戸籍を取得する必要があります。
例えば、松本市で生まれて婚姻して安曇野市に戸籍を新たに作った場合、
出生から婚姻までは松本市に戸籍を発行してもらい、婚姻から後は安曇野市で戸籍を発行してもらいます。
なにが相続財産なのか確認する方法
被相続人が持っていた不動産を確認する方法として、「固定資産税・都市計画税納税通知書」や被相続人が保管していた「登記済権利証」や「登記識別情報」により、確認する方法があります。
またこれらの書類がない場合には市区町村ごとに被相続人が所有していた不動産を確認することができる「名寄帳」により確認することができます。「名寄帳」については各市区町村の固定資産税課などで取得することができます。
不動産の取得者の確認について
もし被相続人が遺言を遺していた場合、その遺言にしたがって不動産を取得することになります。また、遺言がない場合は相続人全員で遺産分割協議を行い、不動産を取得する人を決める、または法定相続分より取得する(法定相続で相続人が複数人いる場合は、相続人が不動産を共有する)ことになります。
不動産の取得者が決まったら
不動産を取得する相続人が不動産を管轄する法務局へ不動産の名義変更の登記申請を行います。
名義変更に必要となる主な書類として
①法定相続の場合
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
被相続人の除票または戸籍の除附票
相続人全員の戸籍謄本
不動産を取得する相続人の住民票の写し
固定資産税評価証明書
②遺産分割協議の場合
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
被相続人の除票または戸籍の除附票
相続人全員の戸籍謄本
遺産分割協議書
不動産を取得する相続人を除く相続人全員の印鑑登録証明書
不動産を取得する相続人の住民票の写し
固定資産税評価証明書
③遺言の場合
遺言書
被相続人の死亡がわかる戸籍謄本
被相続人の除票または戸籍の除附票
不動産を取得する相続人の戸籍謄本
不動産を取得する相続人の住民票の写し
固定資産税評価証明書
※主なものを載せています。個別の事情により、必要となる書類が変わることがあります。
最後に
当事務所では、相続人の特定の段階から被相続人の所有している不動産の確認、遺産分割協議書の作成、書類は揃えたので登記の申請からお願いしたいなど、どの段階からでもサポートすることができます。
ぜひお気軽にご相談ください。